【簡単Excelマクロ・VBA】For...Next ループ|繰り返し処理 #001
いつもありがとうございます。
ノンプログラマー向け「Excelマクロ・VBA解説シリーズ」へようこそ。
VBAで行いたい処理の代表格に「繰り返し処理」があります。
本稿では、「繰り返し処理」の最も基本的な方法である「For...Next ループ」を、とても簡単な例を用いて解説いたします。
For...Next ループを使うと「指定した回数だけ繰り返し処理を実行する」ことができます。
注)
扱うデータが数千行あるなど、大量のデータを扱う場合には、単純なFor...Next ループでは処理に時間がかかります。これはとてもストレスで、非効率です。
そのような場合には「配列」を利用する方法を推奨します。配列を使用すると処理時間が劇的に短くなります。配列を使った方法に関してはこちらの記事で解説しています。
ことばの意味
- ノンプログラマー
プログラミングを主な仕事にしていない人たちのことです。 - マクロ
VBAを使って作成される「機能」のことです。 - VBA
Visusal Basic for Application の略で、プログラミング言語のことです。
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VBAにおける繰り返し処理の全体像
VBAにおける「繰り返し処理」には、大きく分けて4つの方法があります。「繰り返し処理の」の全体像は以下の記事で解説しております。
本稿では「繰り返し処理の」一部である「For...Next ループ」を解説いたします。
VBAで「For...Next ループ」を行う方法
For...Next ループの基本構文を以下に示します。
For 変数 = 変数の初期値 to 変数の終了値
'ここに繰り返す処理を書く
Next 変数
具体的に繰り返し処理の簡単なコードを実装してみます。
例として、セルA1からA10に、1から10までの数値を入力していくコードを以下に示します。
Sub sample()
' 変数宣言
Dim wb As Workbook ' ワークブック
Dim ws As Worksheet ' ワークシート
Dim row_idx As Long ' 行インデックス
' ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws = wb.Worksheets(1)
' For..Nextループで"繰り返し処理"を実行
For row_idx = 1 To 10
' ワークシートに行番号を書き込む
ws.Cells(row_idx, 1) = row_idx ' ws.Cells(行番号, 列番号)
Next row_idx
End Sub
解説します。
変数の宣言
' 変数宣言
Dim wb As Workbook ' ワークブック
Dim ws As Worksheet ' ワークシート
Dim row_idx As Long ' 行インデックス
冒頭の部分は変数を宣言しています。
Dim 変数 As データ型 の構文で宣言します。
これによって各変数は As 以降で指定したデータ型のデータを格納することができるようになります。
尚、"Workbook"はワークブック、"Worksheet"はワークシート、"Long"は整数を格納するためのデータ型を意味しています。
ことばの意味
- 変数
「値」や「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。変数はその名の通りコード内での指示によって、格納する値やオブジェクトを変えることができます。 - オブジェクト
VBAで操作する対象のことです。 - Long
-2,147,483,648から2,147,483,647までの範囲の整数値を格納することができる。尚、整数を扱うデータ型には Integer もあるが、これは-32,768から32,767までと、Long よりも扱える数が小さい。
ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得
' ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws = wb.Worksheets(1)
次に、ワークブックとワークシートを、オブジェクト変数として格納しています。
wb.Worksheets(1)のカッコ内の数値1は、ワークブック内の1番目のワークシート、つまり左端のワークシートを意味しています。
ことばの意味
- オブジェクト変数
「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。通常の変数が数値や文字列などを格納するのに対して、オブジェクト変数はオブジェクトを格納します。
For...Next ループを用いた繰り返し処理の実装
' For..Nextループで"繰り返し処理"を実行
For row_idx = 1 To 10
' ワークシートに行番号を書き込む
ws.Cells(row_idx, 1) = row_idx ' ws.Cells(行番号, 列番号)
Next row_idx
次に、繰り返し処理を実行しています。
For row_idx = 1 To 10
は、変数 row_idx を1から10まで1ずつ変化させていくことを意味し、変数が1増加するごとに、繰り返し処理部である ws.Cells(row_idx, 1) = row_idx
が実行されていきます。
つまり、ws.Cells(1, 1) = 1、ws.Cells(2, 1) = 2、・・・のように処理が実行されていきます。
以上が、For...Next ループの基本的な使い方です。
For...Next ループのオプション
変数を変化させる刻みを1以外にしたい場合
変数を変化させる刻みを1以外にしたい場合には、以下のようにステップのオプションを指定します。
For 変数 = 変数の初期値 to 変数の終了値 step ステップ値
'ここに繰り返し処理を書く
Next 変数
例えば、刻みを2にしたい場合には、以下のようにステップに2を指定します。
For row_idx = 1 to 10 step 2
'ここに繰り返し処理を書く
Next row_idx
ステップのオプションを省略した場合はデフォルト値である1が適用されます。
おわりに
ご覧いただきありがとうございました。
今回の記事では、「繰り返し処理」の中の「For…Next ループ」を解説いたしました。
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筆者の記事関連経験
- VBA使用経験約20年
実務に使用するマクロを多数作成してきました。 - Python 3 エンジニア認定基礎試験
経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」に掲載されている民間資格です。
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