【簡単エクセルマクロ・VBA】For…Each ループ|繰り返し処理 #001

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運営者・ポテ

いつもありがとうございます。

これは、ノンプログラマー向けのエクセルマクロ・VBA解説シリーズです。

VBAで行いたい処理の代表格に「繰り返し処理」があります。

本稿では、「繰り返し処理」の方法のひとつである「For...Each ループ」を、とても簡単な例を用いて解説いたします。

「For Each ループ」は、コレクションや配列の各要素に対して繰り返し処理を実行するステートメントです。

「For Each ループ」は、「For...Next ループ」、「Do...While ループ」、「Do...Until ループ」と違い、コレクション配列の各要素に対して繰り返し処理を行うという点においてユニークなステートメントです。

ことばの意味
  • ノンプログラマー
    プログラミングを本職としない人たちのことです。
  • マクロ
    VBAを使って作成される「機能」のことです。
  • VBA
    Visusal Basic for Application の略で、プログラミング言語のことです。
  • ステートメント
    VBAの中で何らかの固有の働きをするものを定義したものの呼称です。VBAには、Ifステートメント、For...Next ステートメント、Withステートメント、Sub ステートメントなど、様々なステートメントがあります。例えば、Subステートメントは、コードの始まりを定義するステートメントです。
  • コレクション
    オブジェクトの集合のことです。
  • 配列
    複数のデータを格納するための入れ物のことです。
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筆者の記事関連経験/資格
  • VBA使用経験 約20年
  • Python 3 エンジニア認定基礎試験 合格
    一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によって運営・認定されている民間資格で、経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」において、職種:ソフトウェアディベロップメント、専門分野:応用ソフトのレベル1に掲載されています。

VBAにおける繰り返し処理の全体像

VBAにおける「繰り返し処理」には、大きく分けて4つの方法があります。「繰り返し処理の」の全体像は以下の記事で解説しております。

本稿では「繰り返し処理の」一部である「For...Each ループ」を解説いたします。

VBAで「For...Each ループ」を行う方法

For...Each ループの基本構文を以下に示します。

For Each 要素 in コレクション(または配列)

    'ここに繰り返す処理を書く

Loop

この構文では、コレクション(または配列)の各要素に対して、繰り返し処理を実行します。

例として、ワークブック内にあるすべてのシートの名称を "Sheet1"に書き込むコードを以下に示します。

ワークブック内には、下図のように3つのシートがあることにします。

Sub sample()

' 変数の宣言
Dim wb As Workbook
Dim ws As Worksheet
Dim ws1 As Worksheet
Dim row_idx As Long    ' 行番号変数


' ワークブックを"Sheet1"をオブジェクト変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws1 = wb.Worksheets(1)


' 行番号変数に初期値を設定
row_idx = 1


' ワークブック内のすべてのシート名を取得して"Sheet1"に書き込む
For Each ws In wb.Worksheets

    ' "Sheet1"にシート名を書き込む
    ws1.Cells(row_idx, 1) = ws.Name
    
    ' row_idx (行番号変数)にプラス1
    row_idx = row_idx + 1

Next ws

End Sub

解説します。

変数の宣言

Sub sample()

' 変数の宣言
Dim wb As Workbook
Dim ws As Worksheet
Dim ws1 As Worksheet
Dim row_idx As Long    ' 行番号変数

冒頭の部分は変数を宣言しています。

Dim 変数 As データ型 の構文で宣言します。これによって各変数は As 以降で指定したデータ型のデータを格納することができるようになります。

尚、"Workbook"はワークブック、"Worksheet"はワークシート、"Long"は整数を格納するためのデータ型を意味しています。

ことばの意味
  • 変数
    「値」や「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。変数はその名の通りコード内での指示によって値やオブジェクトを変えることができます。
  • オブジェクト
    VBAで操作する対象のことです。
  • Long
    -2,147,483,648から2,147,483,647までの範囲の整数値を格納することができる。尚、整数を扱うデータ型には Integer もあるが、これは-32,768から32,767までと、Long よりも扱える数が小さい。

ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得

' ワークブックを"Sheet1"をオブジェクト変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws1 = wb.Worksheets(1)

次に、ワークブックとワークシートを、オブジェクト変数として格納しています。

wb.Worksheets(1)のカッコ内の数値1は、ワークブック内の1番目のワークシート、つまり左端のワークシートを意味しています。

ことばの意味
  • オブジェクト変数
    「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。通常の変数が数値や文字列などを格納するのに対して、オブジェクト変数はオブジェクトを格納します。

For...Each ループを用いた繰り返し処理

' 行番号変数に初期値を設定
row_idx = 1


' ワークブック内のすべてのシート名を取得して"Sheet1"に書き込む
For Each ws In wb.Worksheets

    ' "Sheet1"にシート名を書き込む
    ws1.Cells(row_idx, 1) = ws.Name
    
    ' row_idx (行番号変数)にプラス1
    row_idx = row_idx + 1

Next ws

次に、繰り返し処理を実行しています。

まず、row_idx = 1 で、行番号変数 row_idx に初期値を設定します。

次に、ループを開始するコード For Each ws In wb.Worksheets を記述します。これは、Worksheets コレクションのすべてのワークシートについて同じ処理を繰り返しなさい、という命令です。

これで、For... と Next ws の間にある行の処理が繰り返し実行されます。この例では、"Sheet1"にシート名を書き込み、その後、行番号変数 row_idx にプラス1をしています。

この row_idx = row_idx + 1 がないと書き込む行が次の行に進まず、繰り返し処理の間中ずっと同じセルに値が上書きされてしまいます。注意してください。

以上が、For...Eachループの基本的な使い方です。

おわりに

運営者・ポテ

ご覧いただきありがとうございました。

今回の記事では、「繰り返し処理」の中の「For…Each ループ」を解説いたしました。

お問い合わせやご要望等ございましたら、「お問い合わせ/ご要望」またはコメントにて、ご連絡いただければ幸いでございます。

皆様の人生がより一層素晴らしいものになるよう、少しでもお役に立てれば幸いでございます。

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