【簡単エクセルマクロ・VBA】Select Case ステートメントで部分一致を実装する方法|条件分岐 #003

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運営者・ポテ

いつもありがとうございます。

これは、ノンプログラマー向けのエクセルマクロ・VBA解説シリーズです。

Select Case ステートメントは、プログラムに条件分岐を設定する方法です。基本的な使い方は、こちらの記事で紹介しております。

本稿では、Select Case ステートメントの条件に"部分一致"を実装する方法を解説いたします。

ことばの意味
  • ノンプログラマー
    プログラミングを本職としない人たちのことです。
  • マクロ
    VBAを使って作成される「機能」のことです。
  • VBA
    Visusal Basic for Application の略で、プログラミング言語のことです。
  • ステートメント
    VBAの中で何らかの固有の働きをするものを定義したものの呼称です。VBAには、Ifステートメント、For...Next ステートメント、Withステートメント、Sub ステートメントなど、様々なステートメントがあります。例えば、Subステートメントは、コードの始まりを定義するステートメントです。
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筆者の記事関連経験/資格
  • VBA使用経験 約20年
  • Python 3 エンジニア認定基礎試験 合格
    一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によって運営・認定されている民間資格で、経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」において、職種:ソフトウェアディベロップメント、専門分野:応用ソフトのレベル1に掲載されています。

VBAにおける条件分岐処理の全体像

VBAにおける「条件分岐処理」には、大きく分けて「If...Then...Else ステートメント」 と 「Select Case ステートメント」の2つの方法があります。「条件分岐処理」の全体像は以下の記事で解説しております。

本稿では「条件分岐処理」の一部である「Select Case ステートメント」において、条件に"部分一致"を実装する方法を解説いたします。

VBAの「Select Case ステートメント」で部分一致を実装する方法

Select Case ステートメントの基本構文を以下に示します。

' Select Case ステートメント開始
Select Case 条件式
    
    ' 条件 A が条件式を満たす場合の処理 
    Case 条件A
        処理1

    ' 条件 B が条件式を満たす場合の処理 
    Case 条件B
        処理2

    ' 条件 C が条件式を満たす場合の処理 
    Case 条件C
        処理3

    ' 上記すべての条件が偽(False)である場合の処理
    Case Else
        処理4

' Select Case ステートメント終了
End Select

それに対して、Select Case ステートメントで"部分一致"を実装する方法は以下のような構文になります。後のセクションで詳述しますが、部分一致は Instr 関数で実現しています。

' 変数宣言
Dim str as String

' 変数に値を代入
str = "your string"

' Select Case ステートメント
Select Case True

    Case Instr(str, "検索対象文字列1") > 0
        ' "検索対象文字列1"が含まれている場合の処理

    Case Instr(str, "検索対象文字列2") > 0
        ' "検索対象文字列2"が含まれている場合の処理

    Case Else
        ' 上記にいずれも当てはまらない場合の処理

End Select

具体例を示します。

このコードは、以下のような構造になっています。

  • Do While ループでシートのA列を走査
  • Select Case ステートメントでA列の値を評価
  • 評価結果に応じた処理を行う
Sub sample()

' 変数宣言
Dim str As String
Dim wb As Workbook
Dim ws As Worksheet
Dim row_idx As Long    ' 行番号変数


' ワークブックとワークシートを変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws = wb.Worksheets(1)


' 行番号変数に初期値を代入
row_idx = 1


' Do While ステートメントでA列を走査
Do While ws.Cells(row_idx, 1) <> ""
    
    ' 変数 str に値を代入
    str = ws.Cells(row_idx, 1)
    
    ' 各 Case の条件式が True であるかどうかを評価する Select Case ステートメントを開始
    Select Case True
        
        ' 評価対象に"基本"が含まれている場合の処理
        Case InStr(str, "基本") > 0
            ws.Cells(row_idx, 2) = "基本"
        
        ' 評価対象に"応用"が含まれている場合の処理
        Case InStr(str, "応用") > 0
            ws.Cells(row_idx, 2) = "応用"
        
        ' 上記のいずれの条件にも当てはまらない場合の処理
        Case Else
            ws.Cells(row_idx, 2) = "N/A"

    End Select
    
    
    '行番号変数に1を加え、次の行に進む
    row_idx = row_idx + 1

' Do While ステートメントの最初に戻り、同じ処理を繰り返す
Loop
    
End Sub

解説します。

変数の宣言

' 変数宣言
Dim str As String
Dim wb As Workbook
Dim ws As Worksheet
Dim row_idx As Long    ' 行番号変数

冒頭の部分は変数を宣言しています。

Dim 変数 As データ型 の構文で宣言します。

これによって各変数は As 以降で指定したデータ型のデータを格納することができるようになります。

尚、"Workbook"はワークブック、"Worksheet"はワークシート、"Long"は整数を格納するためのデータ型を意味しています。

ことばの意味
  • 変数
    「値」や「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。変数はその名の通りコード内での指示によって値やオブジェクトを変えることができます。
  • オブジェクト
    VBAで操作する対象のことです。
  • Long
    -2,147,483,648から2,147,483,647までの範囲の整数値を格納することができる。尚、整数を扱うデータ型には Integer もあるが、これは-32,768から32,767までと、Long よりも扱える数が小さい。

ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得

' ワークブックとワークシートを変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws = wb.Worksheets(1)

次に、ワークブックを開くと同時にオブジェクト変数として取得しています。合わせてワークシートもオブジェクト変数として格納しています。

wb.Worksheets(1)のカッコ内の数値1は、ワークブック内の1番目のワークシート、つまり左端のワークシートを意味しています。

ことばの意味
  • オブジェクト変数
    「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。通常の変数が数値や文字列などを格納するのに対して、オブジェクト変数はオブジェクトを格納します。

Do While ステートメントでA列を走査

' 行番号変数に初期値にを代入
row_idx = 1

次に Do While ステートメントでA列を走査していきます。まずはじめに行番号変数に初期値を代入しています。

' Do While ステートメントでA列を走査;A列の値が空欄でない間ずっと処理を繰り返す
Do While ws.Cells(row_idx, 1) <> ""

次に、Do while ステートメントを開始します。

これは、A列のセルが空欄でない間はずっと処理を繰り返しなさい、という命令です。論理演算子 <> は「等しくない」という意味を表します。つまり、この場合の <>"" は「空欄に等しくない」、即ち「空欄ではない」という意味です。

尚、Do While ステートメントの使い方は、こちらの記事で解説しています。

ことばの意味
  • 論理演算子
    条件を組み合わせて真偽値(True または False)を評価するために使用されます。例えば、"And" は両方の条件が True の場合に True を返し、"Or"は少なくとも一方の条件が True の場合に True を返します。

Select Case ステートメントを用いて条件分岐処理を実装

    ' 各 Case の条件式が True であるかどうかを評価する Select Case ステートメントを開始
    Select Case True

各 Case の条件式が True であるかどうかを評価する Select Case ステートメントを開始しています。

        ' 評価対象に"基本"が含まれている場合の処理
        Case InStr(str, "基本") > 0
            ws.Cells(row_idx, 2) = "基本"
        
        ' 評価対象に"応用"が含まれている場合の処理
        Case InStr(str, "応用") > 0
            ws.Cells(row_idx, 2) = "応用"
        
        ' 上記のいずれの条件にも当てはまらない場合の処理
        Case Else
            ws.Cells(row_idx, 2) = "N/A"

各 Case の条件式と、条件式が True だった場合の処理を記述です。"部分一致"は、ここで登場する Instr 関数で実現しています。Instr 関数は、被評価文字列の中に、検索対象文字列が最初に現れる"位置"を返す関数です。つまり、">0" が True であれば指定した文字列があるということを意味しますので、部分一致は True とみなすことができます。

尚、Instr 関数の基本構文は以下のようになっています。

Instr([start], "被評価文字列", "検索対象文字列", [compare])
' start(オプション):検索を開始する位置
' compare(オプション):文字列の比較方法。
'             指定しない場合は vbBinaruCompare(大文字・小文字、全角・半角を区別あり、完全一致)
'             単純にテキスト比較を行う場合は vbTextCompare(大文字・小文字、全角・半角区別なし)

次の行の解説に進めます。

    End Select

Select Case ステートメントを終了します。

    ' 行番号変数の値に1を加え、次の行に進む
    row_idx = row_idx + 1

行番号変数の値に1を加えて、次の行に移動します。

Loop

Do While ステートメントの最初に戻り、繰り返し同じ処理を実行します。

以上が、Select Case ステートメントの Case に部分一致を実装する方法です。

おわりに

運営者・ポテ

ご覧いただきありがとうございました。

今回の記事では、「条件分岐処理」の中の「Select Case ステートメント」において部分一致を実装する方法を解説いたしました。

お問い合わせやご要望等ございましたら、「お問い合わせ/ご要望」またはコメントにて、ご連絡いただければ幸いでございます。

皆様の人生がより一層素晴らしいものになるよう、少しでもお役に立てれば幸いでございます。

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