【簡単エクセルマクロ・VBA】プログレスバー|エクセルオブジェクトの操作 #005

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運営者・ポテ

いつもありがとうございます。

これは、ノンプログラマー向けのエクセルマクロVBA解説シリーズです。

本稿では、プログレスバーを操作する方法を解説いたします。

プログレスバーは、処理の進捗状況を視覚的に示すツールです。特に時間がかかる処理において、進行度を表示することでユーザーに現在の作業状況を知らせ、不安やストレスを軽減する役割を果たします。

エクセルマクロに限らず、進捗状況を表示することはアプリケーションソフトウェアの基本的な機能の一つです。皆さんが普段使用しているアプリケーションでも、多くの場合、進行状況を表示してくれるものが多いと思います。

エクセルマクロでも同様に進捗状況を表示することが可能です。

注)まずは、プログレスバーを使う必要がないように、マクロを高速で動作させる工夫をすることが原則です。プログレスバーは、どうしても処理に時間がかかる場合にのみ実装しましょう。

ことばの意味
  • ノンプログラマー・・・プログラミングを本職としない人たちのことです。
  • マクロ・・・VBAを使って作成される「機能」のことです。
  • VBA・・・Visusal Basic for Application の略で、プログラミング言語のことです。
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筆者の記事関連経験/資格
  • VBA使用経験 約20年
    製品開発・生産技術系のフィールドで、実務に使用するマクロを多数作成してきました。
  • Python 3 エンジニア認定基礎試験 合格
    一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によって運営・認定されている民間資格で、経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」において、職種:ソフトウェアディベロップメント、専門分野:応用ソフトのレベル1に掲載されています。

VBAにおけるエクセルオブジェクト操作の全体像

VBAにおける「エクセルオブジェクトの操作」の全体像は、以下の記事で解説しております。

本稿では「エクセルオブジェクトの操作」の一部である「プログレスバーを操作する方法」を解説いたします。

VBAでプログレスバーを操作する方法

ユーザーフォームの作成

プログレスバーは、ユーザーフォームに含まれるコントロールの一部です。プログレスバーを使用するには、まずユーザーフォームを作成する必要がありますので、以下に解説していきます。

まず、VBE(Visual Basic Editor)の「挿入」メニューから「ユーザーフォーム」を選択し、ユーザーフォームを挿入します。

このようなまっさらのユーザーフォームが挿入されます。

まっさらなユーザーフォーム

次に、必要なコントロールを配置します。ここでは、進捗状況をテキストで表示する「ラベル」と、視覚的に示す「プログレスバー」を配置します。コントロールは、ツールボックスからドラッグ&ドロップで配置できます。

プログレスバーを表示するときは、ユーザーが待機しているときです。そのため、ユーザーフォームのタイトルを以下のように設定すると、気が利いています。

ラベルとプログレスバーのオブジェクト名は、以下のようになっていますので覚えておきましょう。これらの名前は、コードを実装する際に必要になります。

以上でユーザーフォームの準備は完了です。

ことばの意味
  • コントロール・・・ボタンやテキストなどのユーザーフォーム上に配置される部品のことです。

コードの実装

次にコードを実装していきます。

コードは以下の通りです。

Sub ShowProgressBar()


    ' ユーザーフォームとカウンター変数の宣言
    Dim uf As UserForm1           ' プログレスバーを表示するユーザーフォーム
    Dim progress_step As Long     ' 現在の進捗ステップを示すカウンター


    ' ユーザーフォームの新しいインスタンスを作成
    Set uf = New UserForm1


    ' プログレスバーの初期設定
    With uf.ProgressBar1
        .Min = 0
        .max = 10       ' プログレスバーの最大値を10に設定
        .Value = 0
    End With


    ' ユーザーフォームを非同期で表示
    uf.Show vbModeless
    

    For progress_step = 1 To 10

        ' 処理のメイン部分(例として1秒待機する処理を実装)
        Application.Wait Now + TimeValue("0:00:01")
        
        ' プログレスバーの進捗を更新
        uf.ProgressBar1.Value = progress_step
        uf.Label1.Caption = "処理中... " & Int((progress_step / 10) * 100) & "%"
        
        ' 画面を更新
        DoEvents

    Next progress_step


    ' 処理が終わったらユーザーフォームを閉じる
    Unload uf


End Sub

このコードを実行すると、以下のようなプログレスバーが表示されます。進捗状況が0%から100%まで、10ステップで変化します。

解説していきます。

    ' ユーザーフォームとカウンター変数の宣言
    Dim uf As UserForm1           ' プログレスバーを表示するユーザーフォーム
    Dim progress_step As Long     ' 現在の進捗ステップを示すカウンター

ここでは、変数の宣言をしています。Dim 変数 AS データ型の構文で宣言します。これにより各変数は、As以降で指定したデータ型のデータを保持できるようになります。

Dim uf As UserForm1 は、UserForm1 という名前のユーザーフォームのインスタンス(実体)を保持するための変数 uf を宣言しています。この UserForm1 は、前述の「ユーザーフォームの作成」で作成したユーザーフォームのことです。

Dim progress_step As Long Long は整数値を扱うためのデータ型です。

    ' ユーザーフォームの新しいインスタンスを作成
    Set uf = New UserForm1

ここでは、ユーザーフォーム UserForm1 の新しいインスタンス(実体)を作成し、同時に変数 uf に格納しています。

New キーワードは、VBAに「このオブジェクトの新しいインスタンスを作成せよ」と指示するものです。UserForm1 は、既にVBAプロジェクト内でデザインされたユーザーフォームのクラス(設計図)です。New UserForm1 によって、UserForm1 の新しいオブジェクトが作成され、そのインスタンスが返されます。

変数 uf は、先に Dim uf As UserForm1 で宣言された変数で、この変数に新しく作成された UserForm1 のインスタンス(実体)が割り当てられます。以降のコードでは、この uf 変数を通じて UserForm1 のインスタンス(実体)にアクセスし、フォームを表示したり、フォーム上のコントロールを操作したりできます。

    ' プログレスバーの初期設定
    With uf.ProgressBar1
        .Min = 0
        .max = 10       ' プログレスバーの最大値を10に設定
        .Value = 0
    End With

ここでは、プログレスバーの初期設定を行っています。

.Min = 0.Max = 10 は、それぞれプログレスバーの最小値と最大値を設定しています。

.Value = 0 は、プログレスバーの現在の値を0に設定します。これにより、プログレスバーは最初の状態(進捗なし)からスタートします。

    ' ユーザーフォームを非同期で表示
    uf.Show vbModeless

ここでは、ユーザーフォームを非同期で表示しています。"非同期"とは、ユーザーフォームを表示している間でも、他の操作(例えばExcelシートの編集など)が同時に行える状態を指します。

uf は、先に Set uf = New UserForm1 で作成したユーザーフォーム UserForm1 のインスタンスを指しています。

Show メソッドは、ユーザーフォームを表示するために使用されます。uf.Show とすることで、指定されたフォーム( UserForm1)が画面に表示されます。

vbModeless は、ユーザーフォームを「非同期モード」で表示するオプションです。

    For progress_step = 1 To 10

        ' 処理のメイン部分(例として1秒待機する処理を実装)
        Application.Wait Now + TimeValue("0:00:01")
        
        ' プログレスバーの進捗を更新
        uf.ProgressBar1.Value = progress_step
        uf.Label1.Caption = "処理中... " & Int((progress_step / 10) * 100) & "%"
        
        ' 画面を更新
        DoEvents

    Next progress_step

ここでは、プログレスバーの更新を行っています。For Next ステートメントで10ステップの繰り返し処理を実行し、各ステップでプログレスバーを更新しています。

Application.Wait Now + TimeValue("0:00:01") は、マクロを1秒間停止する処理です。これは例として実装したものであり、実際にはここに実行したい処理を記述します。

uf.ProgressBar1.Value = progress_step は、プログレスバー ProgressBar1 の値を変数 progress_step の値に更新しています。progress_step の値に応じてプログレスバーが更新され、進捗状況が視覚的に確認できます。For Next ループが進むごとに、プログレスバーが徐々に増加していきます。

uf.Label1.Caption = "処理中... " & Int((progress_step / 10) * 100) & "%" は、ラベル Label1 に進捗状況をテキストで表示しています。Int 関数は、数値の小数点以下を切り捨てて整数に変換する関数です。

DoEvents は、VBAが他のイベント(例えば、ユーザーフォームの更新や他のExcel操作)を処理できるようにする命令です。通常、VBAのプログラムが処理を実行している間、その処理が完了するまで他の操作ができなくなります。特に、長時間かかる処理を行っているとき、ユーザーインターフェース(フォームのボタンやラベルなど)が「フリーズ」してしまい、ユーザーが操作できなくなったり、画面が更新されなくなることがあります。DoEvents は、VBAのプログラムが長時間の処理を実行している間でも、他の操作や画面更新ができるようにするための命令です。これにより、ユーザーインターフェース(例えば、プログレスバーやラベル)がリアルタイムで更新され、ユーザーに対して処理が進行していることを見せることができます。

    ' 処理が終わったらユーザーフォームを閉じる
    Unload uf

ここでは、ユーザーフォームを閉じる処理を行っています。この処理がないと、ユーザーフォームが画面に表示されたままになります。そのため、明示的にフォームを閉じるコマンドを実装する必要があります。

Unload ステートメントは、指定したユーザーフォームを閉じて、メモリから完全に解放するために使用されます。これは、フォームを閉じるだけでなく、そのフォームが占有していたメモリ領域を解放し、メモリを効率的に使用するためにも重要です。

以上で、コードの説明は終わりです。

おわりに

運営者・ポテ

ご覧いただきありがとうございました。

本稿では、「エクセルオブジェクトの操作」の中の「ユーザーフォームを操作する方法」を解説いたしました。

お問い合わせやご要望等ございましたら、「お問い合わせ/ご要望」またはコメントにて、ご連絡いただければ幸いでございます。

皆様の人生がより一層素晴らしいものになるよう、少しでもお役に立てれば幸いでございます。

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