【簡単Excelマクロ・VBA】If...Then...Else ステートメント|条件分岐 #001
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ノンプログラマー向け「Excelマクロ・VBA解説シリーズ」へようこそ。
If...Then...Else ステートメントは、プログラムに条件分岐を設定する方法です。
例えば、条件Aが満たされれば処理1を実行、満たされなければ処理2を実行、のように条件によって異なる処理を実装することができます。
機械的に処理を実行するプログラムには限界があります。より効率的なマクロを作成するためには必ず条件分岐処理が必要になります。
本稿では、条件分岐の最も基本的な方法である「If...Then...Else ステートメント」を、とても簡単な例を用いて解説いたします。
ことばの意味
- ノンプログラマー
プログラミングを主な仕事にしていない人たちのことです。 - マクロ
VBAを使って作成される「機能」のことです。 - VBA
Visusal Basic for Application の略で、プログラミング言語のことです。 - ステートメント
VBAの中で何らかの固有の働きをするものを定義したものの呼称です。VBAには、Ifステートメント、For...Next ステートメント、Withステートメント、Sub ステートメントなど、様々なステートメントがあります。例えば、Subステートメントは、コードの始まりを定義するステートメントです。
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VBAにおける条件分岐処理の全体像
VBAにおける「条件分岐処理」には、大きく分けて2つの方法があります。「条件分岐処理」の全体像は以下の記事で解説しております。
本稿では「条件分岐処理」の一部である「If...Then...Else ステートメント」を解説いたします。
VBAで「If…Then…Else ステートメント」使う方法
If…Then…Else ステートメントの基本構文を以下に示します。
If 条件 Then
‘ 条件が True の場合の処理
ElseIf 別の条件 Then
‘ 別の条件がTrueの場合の処理
Else
‘ すべての条件がFalseの場合の処理
End If
If...Then...Else ステートメントの具体例を以下に示します。
Sub sample()
' 変数宣言
Dim wb As Workbook ' ワークブック
Dim ws As Worksheet ' ワークシート
Dim row_idx As Long ' 行インデックス
' ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws = wb.Worksheets(1)
' For...Nextループで繰り返し処理
For row_idx = 4 To 6
' セルの値が「バナナ」の場合
If ws.Cells(row_idx, 2) = "バナナ" Then
ws.Cells(row_idx, 3) = "120円"
' セルの値が「りんご」の場合
ElseIf ws.Cells(row_idx, 2) = "りんご" Then
ws.Cells(row_idx, 3) = "90円"
' セルの値が上記の2条件以外の場合
Else
ws.Cells(row_idx, 3) = "条件に該当しません"
End If
Next row_idx
End Sub
解説します。
変数の宣言
' 変数宣言
Dim wb As Workbook ' ワークブック
Dim ws As Worksheet ' ワークシート
Dim row_idx As Long ' 行インデックス
冒頭の部分は変数を宣言しています。
Dim 変数 As データ型 の構文で宣言します。
これによって各変数は As 以降で指定したデータ型のデータを格納することができるようになります。
尚、"Workbook"はワークブック、"Worksheet"はワークシート、"Long"は整数を格納するためのデータ型を意味しています。
ことばの意味
- 変数
「値」や「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。変数はその名の通りコード内での指示によって値やオブジェクトを変えることができます。 - オブジェクト
VBAで操作する対象のことです。 - Long
-2,147,483,648から2,147,483,647までの範囲の整数値を格納することができる。尚、整数を扱うデータ型には Integer もあるが、これは-32,768から32,767までと、Long よりも扱える数が小さい。
ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得
' ワークブックとワークシートをオブジェクト変数として取得
Set wb = ThisWorkbook
Set ws = wb.Worksheets(1)
次に、ワークブックとワークシートを、オブジェクト変数として格納しています。
wb.Worksheets(1)のカッコ内の数値1は、ワークブック内の1番目のワークシート、つまり左端のワークシートを意味しています。
ことばの意味
- オブジェクト変数
「オブジェクト」を入れておく箱のようなものです。通常の変数が数値や文字列などを格納するのに対して、オブジェクト変数はオブジェクトを格納します。
If...Then...Else ステートメントを用いて条件分岐処理を実装
' For...Nextループで繰り返し処理
For row_idx = 4 To 6
' セルの値が「バナナ」の場合
If ws.Cells(row_idx, 2) = "バナナ" Then
ws.Cells(row_idx, 3) = "120円"
' セルの値が「りんご」の場合
ElseIf ws.Cells(row_idx, 2) = "りんご" Then
ws.Cells(row_idx, 3) = "90円"
' セルの値が上記の2条件以外の場合
Else
ws.Cells(row_idx, 3) = "条件に該当しません"
End If
Next row_idx
次に、繰り返し処理を実行しています。
1行目の For row_idx = 1 To 6
は、変数 row_idx を1から6まで1ずつ変化させていくことを意味し、変数が1増加するごとに、繰り返し処理部が実行されていきます。
2~3行目はセルの値が「バナナ」だった場合、その隣のセルに「120円」を書き込むコードです。
4~5行目はセルの値が「りんご」だった場合、その隣のセルに「90円」を書き込むコードです。
6~7行目はセルの値が上記2条件のいずれでも無い場合に行う処理です。「条件に該当しません」というテキストを隣のセルに書き込みます。
以上が、If...Then...Else ステートメントの基本的な使い方です。
おわりに
ご覧いただきありがとうございました。
今回の記事では、「条件分岐処理」の中の「If...Then...Else ステートメント」を解説いたしました。
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筆者の記事関連経験
- VBA使用経験約20年
実務に使用するマクロを多数作成してきました。 - Python 3 エンジニア認定基礎試験
経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」に掲載されている民間資格です。
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