【簡単Excelマクロ・VBA】セルのコピー&ペースト|セルの基本操作 #002
いつもありがとうございます。
ノンプログラマー向け「Excelマクロ・VBA解説シリーズ」へようこそ。
本稿では、セルの基本操作のうち「セルのコピー&ペースト」を解説いたします。
ことばの意味
- セル
ワークシートのひとつひとつのマス目のことです。 - ノンプログラマー
プログラミングを主な仕事にしていない人たちのことです。 - マクロ
VBAを使って作成される「機能」のことです。 - VBA
Visusal Basic for Application の略で、プログラミング言語のことです。
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VBAにおける「セルの基本操作」の全体像
マクロを作成するにあたり、セルの操作は何かと必要になります。セルの基本操作の全体像は以下の記事で解説しております。
本稿では、セルの基本操作の一部である「セルのコピー&ペースト」を解説いたします。
VBAで「セルのコピー&ペースト」を行う方法
コピー&ペーストの方法には、大きく分けて2つの種類があります。
- シンプルなコピー&ペースト
- 貼り付けの条件を指定するコピー&ペースト
それぞれ解説していきます。
シンプルなコピー&ペースト
貼り付けの条件を細かく指定せず、単純にセルのコピー&ペーストをするのには、Copy メソッドと Destination オプションを使った方法があります。
ことばの意味
- メソッド
オブジェクトを操作する命令のことです。
なお、ここでいう貼り付けの条件とは、”値のみ”、”書式のみ”、といったような条件のことです。
以下のように「コピー元」から「コピー先」のセルに「コピーしたい情報」をコピーする場合を例に解説します。
これを実行するには、以下のようなコードを記述します。
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 2).Copy Destination:=ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 4)
このコードは、コピー元のセル(オブジェクト)に対して、.Copy メソッドを使ってセルをコピーし、Destination オプションで貼り付け先の指定と貼り付けを行なっています。
ことばの意味
- オブジェクト
VBAで操作する「対象」のことです。
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 2).Copy
左側の部分では、コピー元のセル(オブジェクト)に対して、.Copy メソッドを使ってセルをコピーしています。
Destination:=ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 4)
右側の部分では、貼り付け先にコピーした内容を貼り付けています。尚、Destination という英単語には、目的地や行先といった意味があります。
尚、上記のコードの中に出てきた ":=" は、オプション、つまり引数に値を設定するときに使用されます。
ここでは、Destination
という引数に ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 4)
という値を設定しています。
引数とは、関数やプログラムに渡す値やオブジェクトのことです。
以上で「シンプルなコピー&ペースト」の解説は終了です。ありがとうございました。
貼り付けの条件を指定するコピー&ペースト
貼り付けの条件を細かく指定したい場合には、Copy メソッドと PasteSpecial メソッドを使う方法があります。
例えば、値のみ貼り付ける場合は、以下のようにコードを記述します。
' セルをコピー
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 2).Copy
' コピーした内容を貼り付け
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 4).PasteSpecial Paste:=xlPasteValues
' コピー元セルの周辺に表示される点滅する枠線を消す(カットコピーモードを解除する)
Application.CutCopyMode = False
上記のマクロ実行結果では、コピー元のフォントは赤色ですが、コピー先のフォント黒になっています。
値のみ貼り付けたため、書式の設定等はコピーされていないためです。
コードを上から順に解説していきます。
' セルをコピー
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 2).Copy
1段落目では、セルをコピーしています。
' コピーした内容を貼り付け
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 4).PasteSpecial Paste:=xlPasteValues
2段落目では、貼り付け先と、貼り付けのオプションを指定しています。
具体的には、~Cells(4, 4)オブジェクトに PateSpecial
メソッドを用いて、貼り付けのオプションを指定しています。
Paste:=xlPasteValues
"の部分が、値のみ貼り付けるオプションです。
' コピー元セルの周辺に表示される点滅する枠線を消す(カットコピーモードを解除する)
Application.CutCopyMode = False
3段落目では、コピー元セルの周辺に表示される点滅する枠線を消す操作をしています。
このコードを書いておかないと、貼り付け後に、コピー元セルの周辺に点滅する枠線が表示されたままになります。
以上が、Copy
メソッドと PasteSpecial
メソッドにてコピー&ペーストを行う方法です。
尚、今回は値のみ貼り付ける例でしたが、PasteSpecial
には他のオプションもあります。
今回の値のみを貼り付けるオプションも含めて、代表的なオプションを下表に示します。
Paste:= | 内容 |
xlPasteAll | すべてを貼り付けます。 |
xlPasteFomulas | 数式を貼り付けます。 |
xlPasteValues | 値を貼り付けます。 |
xlPasteFormats | 書式を貼り付けます。 |
以上で「貼り付けの条件を指定するコピー&ペースト」の解説は終了です。ありがとうございました。
番外編
単純に値だけコピー&ペーストしたい場合は、シンプルに以下のコードでも実現できます。
このコードでは単純に、貼り付け先のセルに、コピー元のセルの値を代入しています。
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 4).Value = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(4, 2).Value
おわりに
ご覧いただきありがとうございました。
今回の記事では、セルの基本操作のうち、「セルのコピー&ペースト」を解説いたしました。
お問い合わせやご要望等ございましたら、「お問い合わせ/ご要望」またはコメントにて、ご連絡いただければ幸いでございます。
皆様の人生がより一層素晴らしいものになるよう、少しでもお役に立てれば幸いでございます。
筆者の記事関連経験
- VBA使用経験約20年
実務に使用するマクロを多数作成してきました。 - Python 3 エンジニア認定基礎試験
経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」に掲載されている民間資格です。
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