【わかりやすい!】美しい背景ボケのつくりかた【F値と背景ボケの関係】
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「わかりやすい写真・カメラ・光学設計に関する解説シリーズ」へようこそ。
本稿では、美しい背景のボケの作り方をお届けします。
美しい背景ボケは、神秘的で幻想的!言葉では表現しきれない感動があります!
まずはじめに、ことばの意味を解説
F値(Fナンバー)
光学系の明るさを表す数値です。F値が小さいほど明るく、大きいほど暗くなります。また、F値は被写界深度にも影響し、F値が小さいほど背景がぼけやすく、大きいほどピントが合う範囲が広がります。
数式
F値 = 焦点距離/レンズの有効口径
明るさ絞り
光学系の中に配置される部品です。
明るさ絞りの内径を変えることにより、画像の明るさや被写界深度を調整することができます。内径が大きいほど明るく、被写界深度は浅くなり、内径が小さいほど暗く、被写界深度は深くなります。
被写界深度
ピントの合っている範囲のことです。
被写界深度が深ければ前景から背景まで全体にピントが合います。
逆に被写界深度が浅ければ、ピンポイントでしかピントが合わず、その前後ではピントがボケます。
背景ボケ
被写体にピントを合わせた時に、被写体の背景がボケるとこです。
意図的に背景をボケさせることで、作品的で、美しい写真を撮ることができます。
背景をボケさせるには?→F値を小さくするんだよ!
F値を小さく(=明るさ絞りの内径を大きく)すると背景がボケやすくなります。
被写界深度が浅くなり、被写体の前後がボケやすくなるためです。
光学系の諸要素と背景ボケの関係を下表に示します。
F値 | 明るさ絞り内径 | 被写界深度 | 背景ボケ |
---|---|---|---|
小さい | 大きい | 浅い | ボケやすい |
大きい | 小さい | 深い | ボケにくい |
実際にF値を変えて撮影した写真を示します。
レンズは 「M.ZUIKO DIGITAL ED12-40mm F2.8 」を使用し、F8.0 と F2.8で撮影しました。
F8.0の方は、奥の方までピントが合っています。(左側の写真)
一方、F2.8の方は背景がやわらかくボケており、被写体が際立ちます。(右側の写真)
良いレンズは光がまあるく、やわらかくボケます。とてもきれいです。
なお、人の目で直接見てもこのようには見えません。写真でしか作り出せない神秘的で幻想的な世界です。
本記事に使用したレンズはこちらです。もしご興味がございましたら、チェックしてみてください。
\チェックしてみよう/
【番外編】スマホは背景がボケづらい!
スマホの写真で、美しく背景がボケている写真を見たことありますか?あまり見かけないですよね。
どうしてなのでしょうか。
実は、F値以外にも背景ボケに効く要素があるからです。それが「焦点距離」です。
スマホのカメラは、デジタル一眼カメラに比べてかなり小さいですよね?
これはつまり、焦点距離が短いということでもあるんです。
焦点距離が短いと被写界深度は深くなり、前景から背景まで全体にピントが合ってしまいます。即ち、ボケにくくなるのです。
被写界深度、焦点距離、背景ボケの関係をまとめると、下表のようになります。
焦点距離 | 被写界深度 | 背景ボケ |
---|---|---|
短い | 深い | ボケにくい |
長い | 浅い | ボケやすい |
おわりに
ご覧いただきありがとうございました。
本稿では、「美しい背景のボケの作り方」をお届けしました。
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筆者の記事関連経験
- 光学設計をしておりました。